代表あいさつ
中国・四国地方9県全域にわたる11大学が連携して,「誰一人取り残さないがん対策」を推進できる人材育成を目指す「地域をつなぐ未来世代のがん専門医療人養成」事業への参画にあたり,広島大学を代表してご挨拶申し上げます。
広島大学は,2012年から岡山大学を主幹校とする中国・四国地方のがんプロ養成プログラムに合流いたしました。2019年春には,医学・歯学・薬学・保健学が融合し,国際的に活躍できる人材養成や学術の高度化・複合化に対応できる研究活動を活性化し,新しい知の創造を目指した大規模プロジェクト研究を推進する組織として,大学院医系科学研究科が本学内に設置されました。今年度の中国・四国がんプロコンソーシアムには,2019年以降と同様に大学病院,原爆放射線医科学研究所と連携しながら大学院医系科学研究科が参画いたします。医系科学研究科として中国・四国地方のがんプロ養成プログラムに参画してきた2019年から2022年までに,14名のがん薬物療法専門医,51名のがん治療認定医,1名のがん薬物療法認定薬剤師,22名のがん看護専門看護師を含む計290名を超える方々ががん関連の専門資格を取得してまいりました。これらの数字はがん専門医療人養成における広島大学の貢献を示すものではないかと自負するところですが,今回も「地域をつなぐ未来世代のがん専門医療人養成」事業への参画を通じて,引き続きがん専門医療人の育成に尽力していく所存であります。
本年度から始まった「地域をつなぐ未来世代のがん専門医療人養成」事業においては,広島大学医系科学研究科からは,修士課程としての「医学物理士養成コース」,博士課程としての「がん専門医養成コース」,「がん専門薬剤師養成コース」に加えて,新たに博士課程として「医学物理士養成コース」,インテンシブコースとして「医学物理士臨床研修課程」を設置することを目指しております。これらは,がん治療に関わる医学物理士の養成に大きく貢献してくれるものと期待しております。さらに「がん専門医養成コース」,「がん専門薬剤師養成コース」を通しては,ゲノム医療、化学療法、放射線療法、外科療法、緩和・終末期医療について高度な技術と知識を有するがん専門医,がん専門薬剤師を養成できるものと考えております。
広島大学は,本学の特色を生かしつつ,本事業にご参加の大学の皆様とも連携しながら,中国・四国地方における「地域をつなぐ未来世代のがん専門医療人養成」に貢献できるものと信じております。皆様からのご指導ご鞭撻を賜れることを祈念しつつ,これをもって広島大学からの本事業参画へのご挨拶にかえさせていただきます。
広島大学 大学院医系科学研究科 分子内科学 教授
広島大学病院 呼吸器内科 診療科長
服部 登